さむぅい北海道で「あったかぁい手作り感」

六花亭本店
11/21、22で旭川から帯広へと小旅行にいってきました。
スカイマークエアラインの成田/旭川便が事前割引でとても安く入手できたからです。

そのいきさつはさておき、3人のモノ好きな同行者と行き当たりばったりな旅でした。

旭川に着くと、折からの寒波で大雪。
全員「ひぃい〜」となったところへ「帯広は晴れ」という天気予報が。
この季節、まだぜんぜん寒さに慣れていない私たちは全員一致で130kmあまり離れた帯広を目指しました。

帯広といえばお菓子の六花亭。
いちどは耳にしたり、召し上がったことがあるのではないでしょうか。
北海道を代表する菓子舗で、帯広に本店があります。

偶然、帯広の中心街に入る手前で同店の前をとおり、これまた全員一致で店内へ。

ひとこと「すばらしい」(安い、品数が多い、見たことがないレアな商品がある)!
おまけに店員さんがすごーく親切。
つかず離れずでにこやかな応対は、まるでよいホテルにいるようでした。

店内に併設されているカフェで食べたのが「雪こんチーズ」。
ココアを練り込んだ繊細なビスケットに開けてあるいくつもの穴を、夜半に降る雪に見立てた「雪やこんこ」という名作お菓子の、いわばスペシャル版。
ビスケットのあいだにしっとりとしたチーズケーキをはさんであります。

ビスケットがしんなりしちゃうので、作ってから2時間が賞味期限。
まさに「現地ならでは!」の限定お菓子。
店頭で注文すると、どうやら店の奥の工房で注文にあわせてチーズケーキをビスケットでサンドしてくれたようです。

味はというと……
「うま〜〜」。
なかに入っているチーズケーキの酸味と甘さが気の利いたバランスで、それがサクっとした薄手のミルフィーユのような感触のココアビスケットと、とても合うのです。
これでなんと150円。

それもさることながら、自分はそのパッケージに惹かれました。
シンプルに2色刷りで、数分でフフンと描いたような軽妙なイラスト。
これがググッとこころに残ったんです。
さすが六花亭、数年前のマルセイバターサンドのブレイクに決してあぐらをかかず、淡々とクオリティを追求している感じがして、なんだかゾクゾクしました。


ブリューゲルの絵を思い起こした閉園時間間際の旭山動物園
翌日はまた130kmを戻って「あの」旭山動物園へ。
雪が降りはじめたばかりで、ペンギン行進の準備が整っていなくてがっかり。

しかぁし!
ここにも学ぶべきヒントはあったのでした。
旭山動物園でも、ふんだんにハンドメイドによる付加価値づけがみられましたのです。

たとえば。
動物園や植物園では、あじけないパネル説明というイメージがあるのですが、旭山ではこうしたパネルが全部手作りなのです。

よく見ていると「ああ、これ描いたときにはやる気満々だなあ」「ああ、これ描いたときはもう疲れてたんだろな」とか、想像できたり。
それに較べて、見た目が同じような専門業者製のパネルは「お金かかってそう」とは思えても、どこかよそよそしいんですよね。

見学をすすめていくなかで、ありましたよ! 「雪こんチーズ」なみの名作。
あざらし館のなかで、何頭もいるアザラシの紹介をしているのは、なんと職員の手描きイラストでした。

これがまた味があるんです。
どうですか、このイラストは、むこうからつぶらな瞳がこちらを見つめているようでしょ?

地球野外塾も、やっぱりハンドメイドの要素をいれてあったかみを出していきたいな、と改めて思いました。

パソコンの進歩で、イラストレーターというアプリケーションでイラスト描きたいと思ったときもありました。
でも、そんなことしている時間も残念ながらないし、同じ時間を費やすならば、へたくそでも自分の手で描くほうが想いが伝わるかもしれません。

さむかった北海道で期せず得た収穫は、手作りのあたたかみでした。